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不動産売却の税金対策9選|税金の主な種類と節税時の注意点も
不動産売却には、様々な税金がかかります。

売却を考えているという方にとっては税負担は大きな問題であり、「少しでも節税したい!」という思いがありますよね。

今回はそんな方に向けて、不動産売却時にかかる税金に対する代表的な控除など、様々な対策についてご紹介したいと思います。

1. 不動産売却にかかる税金の種類と納税タイミング

不動産の売却の際には、手続きにかかる税金から売却成立後の利益に対してかかる税金まで、さまざまな税金が発生します。

 

特に、あらゆる税金の中でも不動産売却による利益に対しかかる「譲渡所得税」は大きな税となるでしょう。

 

そんな譲渡所得税をはじめとする不動産売却時の税金には、以下のようなものがあります。

 

1-1. 印紙税

 

不動産売買契約書は課税文書に該当するため、印紙税がかかります。

これは契約締結時にかかるもので、契約書に収入印紙を貼付けし、消印することで納付することができますね。

 

税額は契約金額によって異なり、例えば100万円を超え500万円以下のものでは2,000円、500万円を超え1千万円以下のものでは1万円など、金額が大きくなれば税額も増えていきます。

 

1-2. 登録免許税

 

登録免許税は、不動産登記の際の申請にかかる税金になります。

 

買主側は所有権の移転申請や住宅ローンのための抵当権登録などの申請が必要になり、それぞれに登録免許税がかかります。

 

売主側が行う可能性のある手続きとしては、売却時に住宅ローンが残っており、売却によって完済するという場合の抵当権の抹消手続きがあるでしょう。

 

これは1件あたり1,000円とされ収入印紙での納付になりますが、司法書士に登記手続きを依頼し、費用として司法書士に支払うのが一般的です。

 

1-3. 仲介手数料

 

不動産売却の際には、一般的に不動産仲介会社を利用することになります。

 

不動産仲介会社に依頼し、売買が成立すれば成功報酬として仲介手数料を支払います。

法律で上限は定められていますが、仲介手数料は売買価格によって決定するため売買価格が高くなればそれに応じて高くなりますね。

 

この仲介手数料にも、消費税が発生します。

 

1-4. 所得税(譲渡所得税)

 

前述したように、不動産売却の際にかかる税金として特に大きいのがこの譲渡所得税に含まれる所得税です。

 

減価償却を考慮した購入金額や売却にかかった費用を売却価格から引いた、実際に利益になった額譲渡所得と呼びます。

 

ここから控除などを引いた課税譲渡所得に対して課税されるのがこの譲渡所得税で、所得税は所有期間5年以内であれば30%5年を超えていれば15%が課税されます。

 

売却した翌年の確定申告で申告し納付することになりますね。

 

1-5. 住民税(譲渡所得税)

 

所得税同様、課税譲渡所得に対して課税されるのが住民税です。

この住民税と所得税、次に紹介する復興特別所得税を合わせて譲渡所得税と呼ばれます。

 

こちらも所有期間に応じて税率が定められており、所有期間5年以内であれば9%5年を超えていれば5%が課税されます

売却から翌年の確定申告後、給与取得者は給与から天引きされることで納付となります。

 

1-6. 復興特別所得税

 

復興特別所得税は、東日本大震災の復興のために2013年〜2037年まで特別に課税される税金になります。

 

こちらも課税譲渡所得に対して課税されることになり、一律2.1%を所得税に上乗せする形での課税となります。

そのため、所得税と同様に翌年の確定申告での申告後の納税となりますね。

 

 

不動産売却にかかる税金については下記のコラムで詳しくご紹介していますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

 

(不動産売却時にかかる税金の種類6つ リンク)

 

2. 不動産売却時の税金対策9選

 

それでは、このような様々な税金の負担を少しでも多く減らすためにはどのような方法があるのでしょう。

不動産売却時にできる税金対策を9つ、ご紹介します。

 

2-1. 取得費が明記された資料をできる限り探す

 

取得費とは、不動産の購入価格と購入にかかった手数料など、購入時に支払った金額から経年劣化により下がった価値分を示す減価償却費を引いたものを指します。

 

課税譲渡所得の計算にはこの取得費が重要になりますが、取得費が不明である場合には「売却費の5%」という概算取得費を用いられてしまうため譲渡所得額が大きくなってしまい、税金額も増えてしまいます。

 

取得費を明確にするため、購入時の売買契約書など取得費が明記された資料をしっかりと探すことが、簡単にできる税金対策の1つになりますね。

 

売買契約書が見当たらない場合には、当時の仲介会社などに写しをもらったり、通帳の出金額やローンの契約書、抵当権の設定額などから購入額を推測することになります。

明記された契約書が無いという時は、税務署に相談してこれらを利用しましょう。

 

2-2. 取得費として加算できるものを漏れなく計上する

 

取得費には、購入額だけでなくその他の手数料なども加算することができます。

取得費を大きくすることで譲渡所得を下げることができますので、加算できるものは漏れなく計上しておきましょう。

 

取得費になるものとしては、

 

  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • 登録免許税
  • 司法書士への手数料
  • 立ち退き料・移転料
  • 土地売買のための建物の取り壊し費用

 

など、購入時にかかった様々な費用を計上することができます。

 

また、リフォームしてから入居した、居住中にリフォームをしたという場合にはその費用も取得費として計上できる場合があります。

しかし、設備故障時の修理など現状維持のための修繕費は計上することができませんので注意しましょう。

 

2-3. 不動産を相続した場合は「取得費加算の特例」を活用する

 

その物件が相続したものである場合には、「取得費加算の特例」として相続時に発生した相続税を取得費に計上することができます。

 

こちらも取得費を大きくすることで譲渡所得を下げることに繋がりますので、相続した場合には活用しましょう。

 

(出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

 

2-4. 譲渡費用を漏れなく計上する

 

譲渡所得の算出の際、取得費とともに加算できるのが売却の際にかかった譲渡費用です。

 

  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • 測量・鑑定にかかった費用
  • 立ち退き料
  • 土地売買のための取り壊し費用
  • 建物の補修費用

 

など、売却のためにかかった様々な費用が計上できますので、譲渡所得を下げるために漏れなく計上しましょう。

 

抵当権抹消のための登録免許税など計上できないものもありますので、分からないものは税務署や不動産会社などに確認すると良いですね。

 

2-5. 税率が下がったタイミングで売却する

 

不動産売却の際の税率は所有期間によって5年以下なら「短期譲渡所得」、5年を超えるものでは「長期譲渡所得」として区分されます。

 

以下のように所得税・住民税ともに長期譲渡所得の方が税率が低くなりますので、所有期間5年を超えてから売却を行うことでも税金対策ができます。

 

 

区分

所得税

住民税

短期譲渡所得

30%

9%

長期譲渡所得

15%

5%

 

 

また居住しているマイホーム、過去3年以内に居住していたマイホームを売却する場合で、その不動産の所有期間が10年を超える場合には特例で軽減税率を適用できることがあります。

こちらでは、譲渡所得6,000万円以下の部分では所得税10%住民税4%となります。

 

売却するタイミングをある程度選べる場合には、こういった税率が下がるタイミングを意識すると良いでしょう。

 

(出典:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm

 

2-6. マイホームの場合は「3,000万円特別控除」を活用する

 

マイホームを売却する場合には、条件を満たせば10年超えの軽減税率だけでなく3,000万円の特別控除を受けられることがあります。

 

現在居住している物件や、転居から3年以内の過去居住していた物件に対して活用できるもので、一時的な目的で居住していた場合や別荘などの場合には適用されないため注意しましょう。

 

対象となる場合譲渡所得から特別控除分の3,000万円を引いた額が課税対象となるため課税譲渡所得を抑えられる上に、譲渡所得が3,000万円以下であればゼロとなり、課税されないことになります。

条件に当てはまる場合には、活用することで大きな節税となりますね。

 

(出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm

 

2-7. 要件を満たした各種特例を活用する

 

上記のマイホームに対する控除のような特例は、その他にも様々あります。

売却時には各種特例の要件を満たしているか確認し、積極的に活用することで税金の対策になります。

 

例えば、売却する土地が平成21年1月1日から平成22年3月31日までに取得した土地である場合には、1,000万円の特別控除が受けられます。

 

こちらは、売却年の1月1日時に所有期間が5年を超えているものが対象となります。

 

また、売却価格が500万円以下の不動産であれば、「低未利用土地等を譲渡した場合の100万円特別控除」が受けられる場合があります。

 

これは「売却した土地が都市計画区域内にある低未利用土地等であること」が大きな要件となっています。

低未利用土地等とは居住や事業をはじめとする他の用途に使用されていない、または周辺の類似用途の土地と比較して著しくことを指します。

 

比較的適用範囲は広いですが、特に空き地や空き家などを売却するなど、少額物件の売却の際には活用を検討しましょう。

 

(出典:国税庁「No.3225 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除」/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3225.htm

 

(出典:国税庁「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3226.htm

 

2-8. 事業用不動産売却の場合は「事業用資産の買い換え特例」を活用する

 

事務所の移転時など事業用不動産を売却する際には、一定の期間内に特定の地域で新たな事業用の土地・建物などを買い換え、1年以内に事業に利用することで買い替え特例として一部の課税を繰り延べることができる場合があります。

 

この特例が適用されると、売却価格より買い換え価格が高い場合には売却価格に20%をかけたもの、買い換え価格の方が低い場合にはその差額+買い換え価格に20%をかけたものを収入金額として譲渡所得を計算することができます。

 

譲渡所得を抑えることができる特例ですが適用には様々な要件がありますので、事業用の不動産を売買する際には確認してみましょう。

 

(出典:国税庁「No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例」/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3405.htm

 

2-9. ふるさと納税を活用する

 

税金対策として、ふるさと納税を利用するのもひとつです。

ふるさと納税とは、各地域に寄付をすることで寄付金控除として税金の控除を受けられる上、返礼品を受け取れる制度です。

 

ふるさと納税の控除上限内であれば、寄付額から自己負担分を控除した額が所得税から還付され、住民税から控除されることになります。

控除上限額は所得が増加することによって増えるため、不動産の売却で所得の増加した年にはぜひ利用すると良いでしょう。

 

また、ふるさと納税は住宅ローン控除との併用も可能です。

 

マイホームを買い換える場合など、売却によって所得が増加した年に住宅ローン控除を合わせて利用するといった際にはふるさと納税を利用すると更なる節税が叶えられますね。

 

3. 【不動産売却】3,000万円の特別控除を活用する際の注意点

 

これまでご紹介した税金対策の中でも節税効果が高いため、マイホームの売却など要件を満たせばぜひ活用したいのが3,000万円の特別控除です。

 

しかし、この特別控除を活用する際に注意しなければならない点として、「住宅ローン控除や買い換え特例との併用ができない」ということがあります。

 

マイホームの買い換えのための売却であり、購入する物件の方で住宅ローン控除を利用するという場合には売却時の特別控除は利用できません。

 

住宅ローン控除のトータルの節税額と特別控除を比較するなど、併用できないものはどの制度を活用するのが一番お得なのかを考えることが大切ですね。

 

どの制度を利用してよいか分からないという方は、不動産会社など専門家に相談するのもおすすめです。

 

まとめ

 

今回は不動産売却の際に活用できる税金対策について詳しくご紹介しました。

 

不動産売却には様々な税金がかかるため、少しでも節税して出費を抑えたいところですよね。

 

センチュリー21アークレストでは、不動産売買時の税金に関する知識のあるスタッフが多数在籍しております。

売却を考えているが税金など不安な点があるという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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不動産のご売却をお考えの際は是非お気軽にご相談下さい。


※こちらの記事は2024-02-10時点の記事になり今後法改正などにより変更になる可能性がございます。
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