不動産売却の税金対策に有効な「3,000万円の特別控除」とは?%%PAGEONLYTITLE%|おうちの仲介+(株式会社アークレスト)
できるだけ抑えたい税金ですが、売却時に3,000万円の特別控除が受けられるケースはご存知でしょうか。
今回は代表的な3,000万円の特別控除をはじめとする、不動産売却時に適用できる控除や特例についてご紹介したいと思います。
1. 不動産売却時の税金を抑える「3,000万円の特別控除」とは?
冒頭でもお話したように、不動産売却にかかる様々な税金を抑えるために、マイホームの売却の際に要件を満たせば3,000万円の特別控除を適用することができます。
一体どんなケースで適用が可能なのか、詳しく見ていきましょう。
(出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm)
1-1. 適用要件
3,000万円の控除を受けるには、主に以下のような要件を満たす必要があります。
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これらの要件を満たせば、売却時に3,000万円の控除を適用することができますので、課税対象となる譲渡所得を減らすことができます。
不動産売却において譲渡所得税は一番大きな税金となりますので、適用によって大幅に節税することができますね。
1-2. 適用対象となるケース
居住用物件を売却する際には、災害などで建物を取り壊したり、相続したものであったりと様々なケースがあるでしょう。
そういった場合でも、要件を満たしていれば適用対象になるケースがいくつかあります。
まず、建物を取り壊したあとに土地のみを売却するというケースです。
建物を取り壊したあとに土地を駐車場として誰かに貸していたなど、別の用途で使用したということが無ければ適用対象となります。
また、不動産(土地・物件)を誰かと共同で保有しているというケースでも、それぞれ自分の持ち分に対して控除を適用することができます。
物件の一部を賃貸として他人に貸し出している場合も同様で、自分が居住していた居住用部分のみが対象となりますね。
1-3. 適用対象とならないケース
反対に、他の要件を満たしていても適用対象とならないケースもあります。
まず、物件の完成を待つまでの仮住まいである、控除を受けるために短期間入居したなど、一時的な目的で取得した家屋に対しては適用できません。
また、あくまで居住用物件のための控除であるため、別荘や倉庫、趣味のための物件など、居住を用途としない家屋も対象となりませんので注意しましょう。
2. 【カテゴリ別】3,000万円の特別控除以外に活用できる特別控除・特例
3,000万円の特別控除以外にも、不動産売却時に利用できる特別控除や特例は様々あります。
それぞれにケースや要件が異なるため、売却の際にどんな控除・特例を活用できるのか事前に知っておくと良いでしょう。
2-1. 不動産の売却全般に使える特別控除・特例
まず、不動産の売却全般に利用できる特別控除・特例には次のようなものがあります。
◯所有期間10年超の不動産売却における軽減税率の特例
譲渡所得税は、その不動産の購入から売却までに得た利益を表す譲渡所得に適用される税率をかけることで算出します。
税率は所有期間で定められ、所有期間5年以下の「短期譲渡所得」か所有期間5年を超える「長期譲渡所得」かで違いがあります。
基本的に長期譲渡所得の方が税率が低くなっています。
さらに、売却するのが居住用物件であり、所有期間が10年を超える場合には、特例として軽減税率を利用できます。
要件を満たせば、譲渡所得6,000万円までの部分には所得税・住民税合わせて14.21%の税率が適用できますね。
◯特定の居住用財産の買い換え特例
居住用財産と認められたものを売却し、住み替えとして新たに居住用物件を購入する際に受けられる特例です。
所有期間・居住期間が10年を超える場合に適用できるもので、適用すると次の買い換えまで税金を先延ばしにすることができるというものです。
購入価格の方が低い場合には売却価格との差額に課税、購入価格の方が高い・もしくは同額の場合には全額繰り延べとなります。
ただし、こちらは令和5年(2023年)12月31月までに不動産を売却してマイホームを買い換えた方のみが対象ですので注意しましょう。
2-2. 相続した不動産の売却に使える特別控除・特例
次に、相続した不動産を売却する際に適用できる特例です。
◯被相続人の居住用財産の売却による特例
親などの被相続人から相続した不動産であり、それが被相続人が居住していたマイホームであった場合には、要件を満たせば特例として3,000万円の控除が受けられます。
注意しなければならない点としては、昭和56年5月31日以前に建築された家屋でなければならないこと、また、平成28年4月1日から令和5年(2023年)12月31日の間に売却されたものである必要があるということです。
2-3. 不動産売却による損失に使える特別控除・特例
不動産売却では、取得費や譲渡費用、住宅ローンなどで損失が出てしまう場合もあります。
前提としてこちらも居住用財産であることが必要ですが、そういった際に使えるのが、次の2つです。
◯特定居住用財産の売却による譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
こちらの対象は住宅ローン残高がある状態での売却となり、令和5年(2023年)12月31日までに不動産を売却した方の中で売却時に損失が出た場合になります。
また、所有期間が5年を超えていることも要件のひとつです。
これを適用すれば損失を給与などのプラスの所得と合算(損益通算)することができ、損失を減らして節税を図れます。
また、損失を所得で相殺出来ず1年で控除しきれないという場合には売却の翌年から3年間繰越で控除することも可能になります。
◯居住用財産の買い換えによる譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
こちらの特例も上の特例と同様、売却で損失が出た場合に損失を所得と合算・その後3年間の繰越控除ができるというものです。
上との違いは、こちらは住宅ローンの残高の有無ではなく居住用財産の買い換えが要件となっていることです。
つまり、売却と同時にマイホームを新たに購入するケースでの適用となります。
こちらも令和5年(2023年)12月31日までに不動産を売却しマイホームを買い換え、さらに損失がある方が対象となりますので、注意しましょう。
2-4. その他の特別控除・特例
その他にも、様々なケースで活用できる特別控除・特例が多くあります。
◯平成21年および平成22年に取得した国内の土地譲渡による1,000万円の特別控除
こちらはリーマンショックによって景気が後退するのを防ぐため施行された、要件を満たした土地売却では1,000万の特別控除が受けられるというものです。
前提となる要件は平成21年および平成22年に取得した土地であるということで、それぞれ平成21年取得であれば平成27年以降、平成22年取得であれば平成28年以降に売却することで特別控除を受けることができます。
◯農地保有の合理化などに向けた土地売却による800万円の特別控除
こちらは農業支援のため売却先の農地拡大を助長するために控除されるものです。
農業振興地域内の農地を農業委員会の斡旋により売却する場合に800万円の特別控除を受けることができます。
◯特別土地区画整理事業などに向けた土地売却による2,000万円の特別控除
国や自治体、公共団体が行っている土地区画整理事業を進めるために土地を売却した際には、2,000万円の控除を受けられるというのがこちらの特別控除です。
定められた区画によって広さの条件があり、都市計画が定められていない場所の場合には30ヘクタール以上、重点供給地区内であれば15ヘクタール以上の土地であることが条件となります。
3. 3,000万円の特別控除を受ける際の注意点
節税効果の高い3,000万円の特別控除には併用や申告など注意しなければならないことがあります。
売却のケースによっては利用できない・しない方がよいという場合もありますので、次の3つのことには注意しましょう。
3-1. 前後2年間は「住宅ローン控除」を受けられない
マイホームを売却する方の中には、買い換えで新たな物件を購入するという方も多くいらっしゃると思います。
その際、ローンの残り額に応じて税金が還付される「住宅ローン控除」を利用したいと考えていても、売却時に3,000万円の特別控除を受けていると前後2年間は住宅ローン控除が利用できません。
旧居の売却と新居の購入を同時に行ってどちらの控除も併用するということができないため、まずはどちらを利用した方が将来的に得になるのかということをしっかりと確認しておきましょう。
基本的には、譲渡所得が高額となるケース以外では住宅ローン控除を利用した方がお得となる場合が多いですね。
3-2. 「買い換え特例」や「損益通算」の併用ができない
マイホーム3,000万円控除と併用できないものには他にも、買い換えの際に税金を先送りにできる「マイホーム買い換え特例」や住宅ローン残高により売却時に損失が出た場合に所得と合算できる「損益通算・繰越控除」の特例があります。
前年もしくは前々年にこれらの特例を受けている場合は3,000万円の控除が利用できないため、こちらも注意しておきましょう。
3-3. 申請期間内の確定申告が必要となる
3,000万円の特別控除は金額が大きいため、利用することで譲渡所得がゼロになり、譲渡所得税も発生しないといったことも少なくありません。
しかし、特別控除・特例によってたとえ譲渡所得税がゼロになったとしても、利益が生じている以上確定申告は必要です。
申告の際、特別控除・特例を利用するには、売買契約書の写しや譲渡所得の内訳など、要件を満たしているかどうか証明するための書類も用意しなければなりません。
書類は早めに用意しておき、売却の翌年2月16日〜3月15日までにしっかりと申告をするようにしましょう。
自分では不安だ、難しいと感じる場合には税理士に依頼することも可能なので、そういった方法も検討してみてください。
4. 特別控除を受けるための確定申告の流れ
前述したように、特別控除を受けるためには確定申告が必須となります。
特別控除を受けるための確定申告の流れや必要書類を確認しておきましょう。
4-1. 〈Step1〉必要書類を用意する
まずは確定申告に必要な確定申告書などの基本書類のほか、控除を受けるために必要な書類を事前に用意しておきましょう。
不動産売却の特別控除を受けるには、
- 売買契約書の写し
- 譲渡所得の内訳
- 売却金の受領書の写し
- 仲介手数料などの領収書の写し
- 戸籍の附票
- 売却した不動産の全部事項証明書
- 住民票・マイナンバー
などが必要になります。
複数の書類が必要になるため、余裕を持って準備しておくことが大切ですね。
受ける控除や特例によっても必要書類が変わってくるため、分からないことがあれば不動産会社や税務署などに相談して漏れのないように揃えておきましょう。
4-2. 〈Step2〉書類を税務署に提出する
確定申告書に必要事項を記入し、その他の書類が揃ったら売却翌年の2月16日から3月15日までの期間中に税務署に提出することで申告ができます。
直接の提出や郵送での提出はもちろん、e-taxというシステムを利用するとオンラインでの申告も可能です。
提出後、所得税額が決定したら申告期間内に金融機関やコンビニなどで支払いを行いましょう。
口座振替での納付も可能になっているほか、e-taxを利用した方はクレジットカードも使用できます。
住民税は翌年6月から課税となり、給与を受け取っている方は天引きでの納付となりますね。
まとめ
今回は代表的な3,000万円控除をはじめとする、不動産売却時に利用できる特別控除・特例についてご紹介しました。
不動産売却には様々な税金がかかります。
売却の条件によって適用できる特例について理解しておき、節税を図ることが重要ですね。
センチュリー21アークレストでは、不動産売却時に使える各種控除・特例についてなど、不動産売却に関する知識の豊富なスタッフが多数在籍しております。
不動産売却をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
不動産売却は地域の相場を熟知していないと希望の価格や期間での売却は成功しません。
売主様の利益を考え出来る限り早く、高く不動産を売却するお手伝いを致します。
不動産のご売却をお考えの際は是非お気軽にご相談下さい。
※こちらの記事は2024-02-10時点の記事になり今後法改正などにより変更になる可能性がございます。
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